日本財団 図書館


119-1.gif

索の点検と手入れ
3−5図でわかるように、曳航の初期に、張力方向に大きな荷重がかかる。これに対して、その所要張力は機材の全備重量の2倍かかるので、索もエンジンも、それに充分耐えなければならない。索の点検は、全長にわたり行なう。点検は、グライダー側から始める。グライダー側から300〜400m近くまでは、グライダーに近づくに従って、消耗が激しくなるから、十分に点検すべきである。索を交換する場合、グライダー側の部分を捨てて、ウインチ側へ新しい索を補充する。
グライダーから離脱した索が自由落下して、3−23図のように、うずまき状になりやすい。索のパラシュートの落下速度が速すぎると、このような傾向になる。キンク状になると、地上を引きもどすとき、地面と接触面が摩耗し、索切れの原因となる。特にグライダー側に近いほど、高い高度から落下するので、その程度は大きくなる。しかし、パラシュートをつけ、ゆっくりと落下させると、キンクになりにくく、索の摩耗も少なくなる。しかし、大きいパラシュートをつけると、曳航して上昇中の抵抗が増加し、獲得高度が低くなることと、落下中に風で流されるので、あまり大きくはできない。
曳航索の継き方
3−24図のように、A点およびB,C点の摩耗の程度を点検する。A点の場合は、素線が折れやすく、BとC点とは摩耗していることが多い。また、継ぎ目の破断強度は、70%に低下する。硬線(ソリッド)は3−24図の二のように継ぐ。なお、硬線はワイヤーの価格も安いし、獲得高度が高く、摩耗が少ない等の利点がある。それに対して、キンクになりやすいとか、パラシュートの大きいものを使用しなければならない

119-2.gif

 

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION